西部系料理は長江上流地域で発達した料理で、四川料理が代表格である。この地域の調味は西辣と呼ばれるほど辛みが強いのが特徴。
・四川料理:中国西部の四川省はいわゆる三国志でいう蜀巴である。省都成都のある四川盆地内は温暖湿潤の気候であるが、丘陵部は気温が低く湿度が高いという大陸的気候で、この気候が香辛料を多く使う四川料理を培った一因でもある。また四川省では海産物には恵まれていないため、野菜、鳥獣肉、穀類を主体としているが、近年は冷凍食品も普及していることから、海産食材も取り入れられている。(エビチリソースなど)四川料理はその分派を細分化するときりがないが、大別すると成都を中心とした料理、重慶発祥の料理の2系統に大別される。
・代表料理:麻婆豆腐:直訳すると「アバタ面のばあさんの豆腐料理」。発祥の成都で陳ばあさんというアバタ面のばあさまが発明した品といわれる。本場四川の麻婆豆腐は非常に辛く、私たちが日頃口にしているのは日本人向けに食べやすくアレンジしたもの(写真は珍々飯店の麻婆豆腐)
・代表料理:回鍋肉:もともとはにんにくの芽と豚ばら肉の炒めだったものを日本に持ち込んだ調理人がより食べやすくするためキャベツ、豚ばら肉の薄切りの組み合わせに変化させ、それが定着し標準となった料理。(写真は珍々飯店の回鍋肉)
その他当店にある四川料理は腰果鶏丁(鶏肉カシューナッツ炒め)、エビチリソースなど。四川では塩漬けも盛んで、ザーサイが有名である。