北部系料理とは、主に黄河流域に発展してきた料理で、清朝の北京において発展した北京料理をその主流とする。
様々な歴史の変遷を経て中国の政治の中心として栄えた北京は、各省からの珍品佳品が集まると同時に、各省の官吏が伴った優秀な調理人が集結し宮廷の宴席で料理を披露しお互い技術を競い合って味を誇った。それにより、満州族が持ち込んだ羊や家鴨を主体とした北方の素朴な料理に様々な地方(山東、河北、蒙古、蘇州、揚州)などの料理が混ざり合って発達し、さらに中国全土から代表的な優れた料理が研究され一種独特の風格ある宮廷料理が完成し、それが民間にも浸透したものが現在の北京料理といえる。
北京という地は厳冬というにふさわしい冬の寒さであり、人体が熱を出す必要があるため高カロリーのものが要求され、南方の料理に比べて油をたっぷり試用し、味付けも濃厚であることが多い。反対に夏は非常に暑いため、酢や寒天などを利用してさっぱりとした料理が多い。代表的な料理としては「北京ダッグ」があまりにも有名である。